4人が本棚に入れています
本棚に追加
私がナナミを……。
「や……っ、」
「大丈夫だって、誰にもバレてないよ」
タクミは一層強く私を抱きしめる。
「なんで、なんであんなこと……タクミが言わなければ私は……っ」
「そんなの、俺がシオンのこと好きだからに決まってるだろ?お前ら仲いいから俺の入っていく隙間なんてないじゃん。だから邪魔者は消したんだ、俺の誘導で」
こわい……っ。こわい。
いやだ、怖いよ。
タクミがにっこりと笑顔を浮かべて私を見る。
「正直さ、世界は俺とシオンだけいればいいと思ってるよ。周りにいる奴はみんな邪魔者だ。シオンに触れる奴も、シオンと話す奴も、みんな殺しちゃえば俺たち2人だけの世界になれる……」
「やっ、やめて……!」
私はとっさにタクミを振り払って、後ずさる。
「来ないで!」
「そんな悲しいこと言うなよ」
「いや!」
じりじりと近づいてくる彼は私に向かってこう言った。
最初のコメントを投稿しよう!