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ーー
「なぁナナミ、俺がシオンと話してみようか?」
タクミくんは突然そんなことを言い出した。
「ううん、大丈夫だよ。これくらいなら全然我慢できるし……」
「我慢とか言ってる場合じゃないだろ。やっぱり話すのが一番だって」
タクミくんは本当に優しい。
私のことをいつでも一番に考えてくれる。
ああ、好きだな。
匠くんと付き合えてよかったな。
「ありがとう、匠くん。でもそれなら自分で話つけてみるよ」
次の日の放課後。
私はシオンと話すことにした。
シオンを教室に呼び出して、話し合おうと思った。
どうしてこんなことをするのか、とかもうやめて欲しいとか、話せば伝わると思っていた。
だけど、シオンは私が教室に入ったと同時にポケットから隠し持っていたナイフを取り出した。
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