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「ちょっと……!なにしてるの!?」
驚いてシオンをなだめようとしたけれど、彼女はぼんやりと、どこか遠くを見ているようで、私の声が届かなかった。
キラっと光るナイフがこちらに向けられる。
「お願い、やめて……!」
「ナナミは……私が殺すんだ。そしたら一緒にいられるでしょう?」
「そんなにタクミくんが好きだったなんて知らなかったの……お願い、本当にやめて……っ」
「約束したでしょ?いつまでも一緒って」
シオンはナイフを持ったままこっちにやってきた。
「来ないで!!」
うつろ、うつろな目でそんなことを言うシオン。
じりじりと近づいて来て、私の背中は壁にぶつかった。
逃げなくちゃ、
とっさにそう思って教室のドアに手を伸ばした瞬間
シオンは私の前でナイフを振りかざした。
ーーグサッ。
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