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とその時、レッスンスタジオの扉が勢いよく開く。
飛び込んできたのはリョーヴァ団長だった。
「タクヤ!」
舞台中央で指示を飛ばしていた拓也さんの動きが一瞬止まる。
血相を変えて飛び込んできたリョーヴァ団長に、拓也さんは険しい表情をつくる。
自分の胸が騒ぐ。
鏡に映る私の顔は強ばっていた。
一言二言、言葉を交わした拓也さんとリョーヴァ団長。
「今から指揮はリョーヴァ団長に代わってもらう!」
そう叫んだ拓也さん。
一瞬何事かとスタジオ内がざわめく。
スンヒュンさんとレオンさんを見ると、二人も私と同じように顔が強ばっていた。
拓也さんが勢いよく振り返って私を見た。
拓也さんの口が動く。
私の頭が拓也さんが発したその言葉の意味を理解した瞬間、
一瞬にして、周りから音が消えたような気がした。
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