彼をシャッセ
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小さく吐いた息は一瞬で白くなり、冷たい空気の中に溶け込む。 肌を突き刺すような寒さに、ネッグウォーマーに顔を埋めた。 ランニングシューズがサクサクと雪を踏み、つま先がほんのりと湿ってきているのに気が付きそろそろ切り上げようかと走るスピードを緩めた。 モスクワ、古き良き街。 そして、ドロフェイの生まれた地。 薄らと明るくなり始めた空の端をみて、頬を緩めた。
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