彼をシャッセ

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あの時沢山流した涙がスカラシップに繋がったのだと、私は思っている。 不安だった、決戦の日。 ドロフェイはそばにいなかった。 怖くて不安で仕方がなかったけれど、私は舞台に立った。 だってドロフェイはそばに居る、私の心の中に。 そう言ってくれた、ドロフェイは大丈夫だと言ってくれた。 あの言葉がなかったら、ボーリュ劇場の舞台の上どころか、私はローザンヌの地にさえ来れていなかっただろう。 一人だけで乗り越えた大きな試練。 その後ドロフェイの元へ帰ってきたあの日を、私は未だに忘れられないでいる。 何も言葉はなかった。 ただ必死にその温もりを確かめた、あの日。
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