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「僕が見ている君は、普段学校で過ごしている君ではないんだね」
彼女は頷き、こちらを向いた。
「君は、僕に見せた自分が周りに受け入れてもらえるのかが不安なんだろう。だから、日常に存在しない僕の前でだけは自分を晒け出せるんだ」
僕は彼女の目を見ながら続ける。
「そして、それを受け入れてくれるのかどうかを見極めようとしていた。君の自然体を人は認めてくれるのか、と」
「……その通り、です」
呟き、俯く。
「君は破天荒で、無理矢理人を引っ張って、無茶なお願いをして、自分勝手」
彼女は未だ俯き、震えている。
「とても元気で、人を惹きつけて、わくわくを与えてくれて、僕を楽しい世界に連れ出してくれる」
僕の好きな人、という言葉は飲み込んでおこう。
「とても魅力的な女の子だったよ」
ばっ、と上げた顔は涙でぐしゃぐしゃ。?はほんのり赤く染まっている。
「僕はもっと、君と一緒に過ごしていきたいと思った」
「君が自分を出さずに辛い思いをするのならば、僕の元に来てはつらつに過ごしていけばいい。だから、君が、自分の為に生きるのが辛いのならば、僕の為にもう少し生きてみてくれないだろうか」
「どうかな、染井吉野さん」
彼女に手を差し出す。
彼女は、僕の方に目線を上げて、応えた。
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