二日目

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 放課後まで待ったが、桜さんは来なかった。  お弁当は一人で食べた。彼女を探していたらグループに入りそびれたのだ。お弁当も食べずに何をしていたか聞かれたら答え辛いしなあ。  おいしゅうございました母上。ただ、唐揚げを入れてくれるのはありがたく年甲斐も無しにテンションが上がるのですが、一口食べると評価が一変しました。口内に広がる爽やかとは言い難い鋭く鋭利な酸味。刺激に対する反射で充満する唾液。止まる咀嚼。止まる箸。おふくろさん、すでにレモン汁をかけておくのはやめてくだされ。  普通友達ならおかずの交換したりとか! おしゃべりしながらとか! そういうコミュニケーションをとるべきだろう!  もう帰ろう。三日という短い期間の貴重な一日を無駄に過ごしてしまうのは痛いがしかたがない。  でも、念のためだ。屋上にだけ行ってみよう。  鍵はかかりっぱなしだ。開かない。  僕は一体何をしているのだろう。  あれは白昼夢だったのではないかという疑問まで浮かんでくる。改めて考えれば大分ドラマチック過ぎる展開だった気がする。冷静に考えればありえないよなあ。     
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