楠木八雲の才

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その後。 三冊が八雲の質問ぜめにあったのは言うまでもない。 だが彼ら自身も、生まれの理由、存在の歴史や意味は知らぬ所だった。 人も、自分がこの世で産声を上げた意味なぞ、有るか無いかも解らない。 それと同じなのだろうと、八雲は納得した。 こうして『クスノキ堂』の店主、楠木八雲は、これまで以上に本を溺愛するようになったのである。
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