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タブレット端末の視聴者数は、ぐんぐん伸びている。男は満足そうに頷いた。そして血のついた刃先を薬指に移動させると、躊躇なくグリップを握った。
バチン!
ピンクのマーブル模様の指先が、転がっていく。鍵山えり奈はまた、粘着テープの奥で悲鳴を上げた。その目からは、涙が流れている。
バチン!
バチン!
男は流れ作業のように、順番に指を切っていった。左手の指を切り終えると、右手の親指から切り始める。
バチン!
バチン!
そのたびに聞こえていた鍵山えり奈の悲鳴は、次第に小さくなっていった。そしてとうとう床の上に十個の指先が転がったとき、彼女の意識はもう消えかけていた。
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