39人が本棚に入れています
本棚に追加
弘は手のひらで温めた液体を使って、
首の後ろから真の背中をほぐし始めた。
指が肌を滑るような感覚は、先ほどのものとは違う。
背骨を伝って圧をかけられるたびに、
強張っていた身体が緩み始める。
「…すごい…」
「すごい?」
「…気持ち良い」
「…よかった。」
肩甲骨周りを手のひらで押し開くように、
体の外側を揉みほぐしていく。
液体に覆われた背中は、
筋肉の波に合わせて妖しく照らし出されている。
身体の力が徐々に抜け、
少し意識を枕に沈めようとしたが叶わなかった。
「…弘」
「何?」
「…」
「痛い?」
「…痛くない」
気がつくと、
弘の手はいつの間にか真の腰まで下りてきていた。
腰の窪みを優しく撫でられると、
太ももに電流が走ったような刺激を受ける。
どうしても、気になってしまう。
上半身を動かそうとするも、
真の上に跨る弘に腰を固定されて、動けない。
「…弘」
「…何?」
「…乗っかられてると……気になる。」
「…生理現象だから」
弘はふふと笑いながら、
ゆっくりと真のバスローブを剥がしていった。
腰のリボンを引き下げられいよいよ骨盤が露わになると、
真は慌てて身体を捻り、起き上がろうとした。
「ひ、ろし…」
「下も。凝ってるでしょ?」
「もう、もう良い」
「ええ。せっかくなのに」
引き下げられたバスローブを必死に手繰り寄せて
袖を通そうとすると、弘に腕を掴まれた。
液体で濡れた弘の手は生温かく、少し柔らかい。
腕をそっとほどくと今度は足首を掴まれた。
自分の方に引き寄せようとする弘に、抵抗する。
最初のコメントを投稿しよう!