古書は巡る

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恵那は、一息吸うと、メイド服の美少女に右手の人差し指を向けて質問するのだった。 「どういう経緯(いきさつ)で化けて出てきたのよ?」 「化けて出てきた訳ではないぞ!!、必要とされたから出てきたまでじゃ!!」 「誰によ!!」 恵那はそう言って、メイド服の美少女に詰め寄り肉薄すると、彼女は意味深長な視線を条太郎に注いだのだった。 「おじいちゃん!!、まさかこの子を召喚したんじゃないでしょうね!!」 「すまん……」 条太郎はあっさりと認めて頭を下げるのだが、恵那の怒りは収まらない。更に条太郎を罵倒しようとするのだが、それをメイド服の美少女が押し留めた。 「そういえば、貴女の名前を聞いていなかったわね?」 「ワシの名か?、クリミナル=ノウレッジじゃが……」 「直訳すると"知識の罪人"かぁ……、何か訳アリっぽいわね」 恵那は眉間にシワを寄せてクリミナルをじっと見つめていたが後ろの条太郎がボソッと呟いた一言に頭を抱える。 「クリミナルじゃあ長いな、クリちゃんでいいんじゃないか?」 「おじいちゃん!!、その言い方はやめて!!」 恵那は顔を赤らめて、条太郎を怒鳴り付けるが、当の本人はどこ吹く風といった感じでシレッと更に追い討ちを掛ける。 「恵那、何を想像力を逞しくしとるんだ!?」
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