古書は巡る

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神田古書店街の片隅にある小さな書店、有閑堂。 表通りから路地裏に入った所にある、石造りのビルは小さいが風格のある趣と歴史を感じさせる外観だ。 屈折率の違う波模様の板硝子が嵌め込まれた玄関扉が建物の古さを物語っている。 扉を開けた先には、本棚が天井まで達しており、膨大な蔵書が来る者を圧倒する。それでも店内が明るいのは真ん中が吹き抜け構造になっているからだ。 そんな店内に軽やかな若い女性の声が響き渡る。 「おじいちゃん!!、また、在庫増やしたでしょ!!」
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