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ここのどら焼きは、外側の生地がしっとりしてパサつかない口触りとしっかりと火が通してある小豆の粒が揃ったつぶ餡は甘いがサラリとした味わいだ。
その、どら焼きをパク付きながら、恵那は条太郎に古書の出所を尋ねた。
「おじいちゃん、コレって、曰く付きのシロモノでしょ?」
恵那の怪訝そうな表情に条太郎は頬を緩めて片目を瞑り右手の人差し指を立てた。
「鋭いな、さすがは我が孫じゃ!!」
「おじいちゃん、そんなにほめても、何も出ないわよ」
更に表情を固くする恵那に条太郎は彼女の耳元で囁いたのだった。
「恵那、コイツはな、魔導書じゃよ……」
「ま、魔導書ーっ!?、そんなの偽物でしょ!?」
恵那は呆れ顔で条太郎を見ると右手を頭上で左右に振り、あり得ないといった態度で本の存在を否定した。
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