古書は巡る

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「恵那、そいつの正体はコイツじゃよ……」 条太郎は、例の魔導書を出してきて指差した。男は軽く頷き満足気なシタリ顔だ。 「つまり、このおっさんが本の精ってわけ!?」 恵那は絶望的な表情を浮かべて、肩をガックリと落とした。その姿を見た男は、クルリと身を翻すと姿が消え失せ、メイド服の装った女性に変わっていた。 「おなご!!、どうじゃ!!、コレなら納得するかの!!」 余りの変わり身の速さに恵那と条太郎は舌を巻くしかなかった。 「文句は無いケド……、中身は、さっきのおっさんなんでしょ!!」 「知性の神に性別は関係ないがのぉ!? 外観はかわいらしい、金髪碧眼の美少女だが言葉使いはおっさんのままの違和感に恵那は毒付くのだったが彼女(彼)は気にも止めない。
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