一、二回目のプロポーズは、強制でした。

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め、免許持ってない! ど、どういうことだ? もしかして俺は誰か、アラブの石油王のドナーと一致したとか? それでアラブの石油王に莫大な金で売られる? だから、こんな端金どうってことないとか? ライオンみたいなマークの車に、これはどこのメーカーなのか首を傾げていたら、あっくんが車から乗りだして手を振りだす。 「和葉さん、池に鯉を放ってます。背中にハートマークの鯉がいるんです」 「わかった。わかったから行け」 「ふふ。和葉さん、愛してま――す!」 言いながら車を発進させたあっくんは、すぐに見えなくなった。 浮かれているのは、アラブの富をゲットしたからだろう。 というか、警官なんだよな? 警察の服を着ていたし。 なのにどう見てもあれはスピード違反だったぞ。 「和葉さま、旦那さまが帰るまであちらで休まれてはいかがでしょうか」 使用人らしきおじさんが、椅子とパラソルを出してくれている。 この人も家に入れないのか、庭の隅にボストンバックを置いている。
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