八、イチャイチャ中ですが、喧嘩ってしますか?

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「嫁―? どうした?」 和葉さんからすぐに隠したけれど、わざわざ首を動かし玄関を見た。 「……辰崎さん?」 「多分」 「はやく開けてやれよ」 「この格好で、ですか」 「きゃーっ」 楽しそうに胸を隠すけれど、全然大事な部分は隠れていません。 お互い、羽織っただけの浴衣に、背中には爪痕、首筋にはキスマーク。 一応、初夜の次の夜ぐらい、遠慮してほしかった。 辰崎さんはそんな空気が読める人だと思っていたのに。 「とりあえず、玄関で終わる話なら終わらせてきますので、お風呂で待っててください」 まずは和葉さんの身体を癒すべくお風呂へ連れていく。 朝のうちの準備していて正解だった。 「……辰崎さん?」 玄関も開けずに声をかけると、すぐに反応があった。 「立川市長が、今日会いたいとおっしゃっております」 「立川さんが?」 急いで玄関を開けると、辰崎さんが俺をすごく蔑んだ目で見ている。 「……今日の大学は、ペットの容体が悪いからとお休みしたらしいですね」 適当に休む理由をつけて一日丸まる休んだのは本当だった。 風邪だと言えば和葉さんがあとで嘘だと分かって自分のせいだという。 少しふざけだありえない理由の方が自分で考えたと自分で責任が持てる。 そう思っていたが、辰崎さんは冷たい。 「あなたは成人されるまで、第一にされることは株でも世論を操るでもありません! 学業です!」
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