二、まるでお飯事だと人は言う

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「あの……俺交通課ではないのですか、普通に考えても危ないし非常識です」 「違反? 免許はく奪?」 「ちょっと分からないです。あの、誰かにやらせてみましょうか?」 「現実では駄目なんだよ。リアル感を追求したいけど、本当にしたらダメなんだよ!」 ああ、和葉さん。仕事に熱心なのは尊敬します。 けれど二日ぶりに会話するパートナーにバイブの話ってどうなんでしょうか。 俺は寂しいです。 「疲れてますね。フルーツのスムージーと甘いもの用意しますよ」 「……ごめん。あとセクハラだ。ごめん」 項垂れて申し訳なさそうな顔に、思わず抱きしめたくなる。 そんな弱った顔、見せないでほしい。 包んであげたくなる。 でも仕事の緊張感でピリピリしているのを邪魔したくない。 「いいんです。もう最終章ぐらいですから気持ちが高ぶってるんでしょ? 和葉さんからのセクハラなら大歓迎です!」
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