儀式

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人の眼球を軽く茹でて、角膜とか表面の粘膜を取る。 茹でるんで、表面が白くなって黒目がくすんで見える。 人の顔から眼球を取り出すときに強引に取り出すと駄目だって知ってる? 一番美味しいのは視神経。 だから慎重に取り出さないと途中で切れてしまうんだよね。 今日は酢醤油で食べてみよう。 バターソテーで食べてみるのも美味しいけど、それじゃ調味料の味が際立って本来の眼球や視神経の味が隠れてしまう。 どんな食材でも素材がよいものは簡単な味付けだよね。 私もその考えに倣ってみようと思う。 眼球は1体の人から2個しかとることができない。 本当に貴重な部位だよね。 だから、人を手に入れた時、その成功を祝して、自分自身へのご褒美として2個とも食べるようにしている。 ということは…… そう、今日は記念すべき新たな人を手に入れることができた記念日なんだよね。 今日の人は、職場の同期の阿部さん。 ひとり暮らしを始めたばかりで自炊に苦労しているということだったので、鍋を御馳走するとおびき寄せてすぐに首にある頸動脈を切った。 色んな殺し方ってあると思うけど、一番食材にダメージを与えないのは動脈を切るのが一番。 今回もうまくいった。
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