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もうゆっくりしている暇はない。
しっかり血抜きしないと臭みが残って不味くなるからね。
浴室に着くと、目がくりぬかれて肉塊と化した阿部さんがお出迎え。
「折角死んだんだから美味しくなるようにさばくからね」
そう呟きながら阿部さんにウインクすると、早速血抜きに取り掛かった。
まずは阿部さんの足をロープで縛り、天井に設置した滑車を通し、阿部さんの頭を下に吊り下げた。
この瞬間、いつも私はワクワクする。
いかにも肉をさばいているという実感がわくからなんだよね。
阿部さんの頸動脈を切って殺したから首の部分からおびただしい血が流れていく。
まるで勢いよく出るおしっこみたい。
首から血尿。
これウケる。
阿部さんの顔はなぜか私の方を向いていた。
眼球がない目が私に何か訴えているの?
「今日の血抜きうまくいった。これって阿部さんが規則正しい健康な生活をしていたからだよ。ありがとう。良質な食材の提供ありがとう」
それを聞いた阿部さん。
嬉しそうにしているような気がした。
これって愛だよね?
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