第一章 上京 4

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 第一章 上京 4

                    午前6時30分に東京駅に着いた僕らは、オレンジ色の中央線に乗り中野に向かった。電車の中から見える景色は確かに僕の田舎には無い景色で、人々も動きを早めにセットした人形みたいに道を急いでいた。平日のまだ通勤時間前であり電車の中は、すいていた。僕らは中野駅の南口に降り立った。「お母ちゃん、、おなかすいてないかん。立食いそばたべたいなぁ。」僕らは、以前アパートを探しに来たときに、この中野駅前の立食いそは屋を利用していた。揚げたての天ぷらがうまかった。僕らは天ぷらそばを食べそして、少し上り坂になっている道をアパートへと歩いた。途中には今度から僕が通う日商簿記専門学校があり、しばらくすると中野公会堂、桃山公園、そして下ると城山公園、そしてしばらく歩くと谷戸小学校があり、坂本荘はその真裏にあった。1階に大家さんの坂本さんの住まいがあり、壁の左端にドアがあり、ドアを開けると2階へ続く急な階段がありその階段を上りきった向かいに1部屋、階段の横の奥に水洗だが和式の共同トイレ、その横に1部屋、その奥にもう1部屋という2階に3部屋だけのアパート。アパートというかなんか間借りみたいだった。部屋の広さは入口に小さな流し付きの台所、そして4.畳半の和室と押入れといういわゆる安アパート。家賃1万8000円、水道代は別途月500円、電気代は各自支払い。僕は階段上がって向かいの部屋だった。大きな窓がひとつ。外は大家さんの物干し台となっいて1か所洗濯物干しに使ってもええことになっていた。もちろん電話はなし。携帯などない時代。大家さんの家にピンクの電話があり、かかつてくると部屋のブザーが鳴るようになっていた。僕らは部屋に入り、荷物だけの部屋に座り込んだ。僕はそのまま少し眠った。
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