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蓮の台詞に、俺はむっとした。
「分かんねぇじゃん!次に会う子は、超いい子で、超俺のこと好きかもしれねぇじゃん!」
「なんなの?その無駄なポジティブシンキングは」
政宗がまた、ため息ををつく。――そうだよ。次に会う子は、もしかしたらすげぇ好きになれるかもしれねぇじゃん。
女の子は好きだ。告白されて、付き合って、エッチだってした。でも、何かが違うと思ってしまうのだ。……そりゃもちろん、相手が違うんだろうけど。
告白したのが俺からでも、相手からでも『大事にされてる気がしない』『私のことあんまり好きじゃないでしょ?』って言われてフラれる。その繰り返しだ。
少なくとも俺は、その子たちのこと好きだったし、大事にしてるつもりだったのに……。だから俺は、より好きな子になれる子を探してる。亜希姉よりもっと好きになれる子を。もう捨てたい。なくしたいから。俺は二人にまた頭を下げた。
「頼む!政宗!蓮!300円あげるから!」
「何やってんの、あんたたち?」
降ってきた呆れたような声に、俺たちは振り返った。
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