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キャンパスの学生ラウンジは、昼のピークを過ぎ、人の姿はまばらだった。俺は辺りを見渡し、お目当ての人物を見つける。
「政宗!蓮!」
二人も気づいてこっちに手を振ってくれる。俺は、二人の向かいの席に座った。
同じ経済学部3年の矢尾政宗と、佐伯蓮。蓮とは高校の時から一緒で、政宗とは講義で隣の席だったのをきっかけに仲良くなった。時間があれば、よく三人でつるんでいる。
「話があるって、なに?」
蓮が俺に訊ねる。講義の合間の時間に、俺が二人を呼び出したのだ。
「いや、あの……。あのさ……」
「なんだ?歯切れ悪いな」
政宗が首を傾げる。二人の顔を見て、俺は正直に打ち明けた。
「実はさ……。サークルの子に、二人を紹介してほしいって、言われまして……」
「……悠斗」
「いや!分かってる!分かってるよ、政宗の言いたいことは!」
俺は手を合わせてお願いする。
「でも、俺にも付き合いってもんがあるんだよ。一回会ってみてくんねぇ?」
政宗は盛大にため息をついた。はっきり言って、二人はイケメンなのだ。政宗は剣道部で、背が高くがたいもいい。蓮はおしゃれな上、年上受けする甘い顔立ち。そんな見た目の男を、肉食女子は放って置かないのだ。
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