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「もぅ良いから!お前ら!
なぁ流石に明日の文化祭では少しは俺達も学生生活満喫してるっぽい事したいだろ?!
だからさぁ少しは真面目にやれって」
誰も居なくなった放課後のクラス。
夕日の中でペンキに塗れてる。
野郎と共に過ごす黄昏は虚しい...
「寺野お前まだ夢見てんのか?
作業はやってんじゃん?
看板塗り終われば準備も終わるしよ
俺達は流れに任せてるだけでいいんだよぉ~
文化祭だからって気張っても、
どうせ期待外れで終わるんだよ?
いい加減現実見ろってぇ」
「こもちゃーん...
コイツはぁ!
文化祭に向けて髪を早めに染めて
少し伸びて来たぐらいに当日を迎えて、
"普段から染めてましたよぉ~"
"別に文化祭意識して染めてませんよ~"
をやっちゃってんだよ?
言っても無駄だってぇ...
カッコつけようとしてるんだぞ?!
諦めて、自分をさらけ出す俺達より、
よっぽどダサい子なんだぞ?!
そうだ、よし!てらのん!
似顔絵描いといてやるよ、
この端っこ。
ここならバレんでしょぉ。」
「おぉ。ぞの!お前上手いじゃん。
ギャハハ!
ココ!こうしようぜ!!
あっ!いいねぇ!
ゆるキャラっぽい。
うんぽいぽい!
ノドチン獣ってどう?!」
「いや...言うに事欠いて、ノドチン獣って...
ひでぇなお前ら...
冷静にボロクソ言われて俺の気持ちは今もぅ終わりを迎えそうだ...
し!しかも!あたかも俺がカッコつけようとしてるみたいな言い草は辞めろよ...
クッ!...俺はな!
ただ、折角の人生1度きりの学生生活をだな!
友達であるお前らと...
例え負け犬同士だったとしても!
楽しい文化祭を過ごそうかと思ってるだけで...」
こういうのも青春って言うんだと思う。
下らない時間を友達と馬鹿みたいに笑い合う。
上等じゃないか。
俺は別に嫌いじゃない。
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