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さて、タケルの方は、
余計な心配をしたかと、
叩かれたところをさすりながら、再び振り返って、部隊の先頭へと歩を進める。
すぐに再びミィナと視線を合わす事になるが、
その時、また彼女の顔は微笑んだようにも見えた。
多分だが、彼女も気にかけてもらった事が嬉しいのかもしれない。
家族や友人たちを失って間もないミィナだが、
・・・きっと本来は陽気な女性なのだろう。
確かに、これから未知なる地域に戦いに励むにあたって、
どうしたって場の空気を明るくする存在は貴重だ。
マリアにしても、
女性一人では何かと心もとないだろうし・・・。
そんな時、
先頭のグログロンガの足が止まった・・・。
「全体、止まれ・・・!」
彼の一声で、場の空気が凍りつく・・・。
そのグログロンガの声は、
辺りの岩場にエコーを反射させる・・・。
さっきまでは閉鎖された狭い空間を移動してきたのに?
ここから先の洞窟は拡がりを見せているのだろうか?
だが・・・グログロンガの声は、
洞窟の変化を知らせるものではなかったのである・・・。
「誰かいる・・・!」
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