地下世界ピュロス最深奥にて

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  ゼウスの前に膝を落として控える3人の女性は、 何と、顔つきも背格好も区別できないほどよく似ている。 三つ子なのだろうか? いや、そんなことより、3人とも目が開いていない。 全員、盲目だとでも言うのだろうか? そして、ゼウスに問われた女性たちの真ん中に控える者が、 瞼を閉じたまま顔をゼウスに向ける。  「・・・全能なるゼウス様に仕える我が名は、  現在を見通すモイラ・・・。  この私の視えぬ眼で視たあるがままを報告いたします・・・。  ・・・地上に送りこんだ先遣隊のうち、  山を司るトモロス様が、  その偉大なる力を打ち振るう間もなく、  地上の一人の男の凶刃に倒れられました・・・。」  「ふむ?  曲がりなりにもヤツは栄光あるオリオン神群が一人、  いったい、如何なる手段で倒されたのか・・・?」  
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