地下世界ピュロス最深奥にて

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  モイラの口から放たれた、重大な言葉をゼウスは聞き逃さなかった。  「む? まて・・・  今アトランティスと言ったな?  と言う事は・・・  『ヤツ』が・・・我らに反旗を翻したあの男がいると言うのか?」 未来を見通すモイラが気弱そうに首を振る。  「ゼウス様の仰る者が、  私の目に映っていた者と同一なのかは断じる事ができません。」 そこでゼウスは傍らの陰気な男性・・・ハデスを振り返った。  「聞いたか、だがまず間違いあるまい、  お前も覚悟はしておくのだな、  万一、お前と直接対峙することになるのなら、  お前の能力では相性が悪い。」 ハデスは表情も体勢も変えず、ゆっくりと口を開く。  「・・・あの男を倒す事が出来るのは、ゼウス様以外おりません・・・。  百年以上前のあの時のように。」 ゼウスは微笑を浮かべ、今一度、運命の三女神を見下ろした。   
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