好き

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だからトオルが聞き返して来るのは当然の事だ。 そう思っていたのに、次に花火の音が聞こえた時、オレはトオルの腕の中にいた。 「…え?」 数秒経って、やっと抱きしめられている事に気付いた。 顔だけじゃなくて体まで熱くなって来る。 「トオル、あの…」 「アカン…めっちゃ嬉しい」 その絞り出した様なトオルの声に胸が締め付けられて、どうしてもトオルの顔が見たくなった。 強めに抱きしめられている体は無理だから、首だけを動かしてトオルの顔を見る。 あぁ…恥ずかしくて死にそうだ。 声が聞こえていた事も、今の2人の距離も、トオルのこの嬉しそうな顔も、全部恥ずかしい。 「ユウちゃん泣きそうやん、恥ずかしいん?」 「…うん」 オレが望んだ通りに、トオルが頬をなでてくれる。 「ワイは嬉しゅうて泣きそうやわ、ははっ」 楽しそうにそう言って、トオルはオレを抱きしめたまま後ろに倒れた。 そして自分の上に乗っているオレの顔を両手で包むと、優しく引き寄せてキスをする。
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