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「…」
何でオレは自分の部屋で寝てるんだろう…。
昨日、トオルの上にいた後の事を良く覚えてない。
考えながらリビングに行くと、阿荘先輩がもう起きて来ていた。
オレも今日は早起きしたのに…阿荘先輩はいつも何時に起きてるんだろう。
挨拶をしてから昨日の事をそれとなく聞いてみたところ、阿荘先輩達が帰って来た時、あろうことかオレはトオルの上で寝ていたらしい。
その姿を見られた事も問題だけど、あの場面で寝るなんて…。
さすがに申し訳ない気持ちになって、すぐにトオルの部屋に謝りに向かった。
必然的にトオルを起こす事になってしまったけど。
起こされたトオルは怒りもせずにニヤニヤしながら、謝らんでもチューでえぇよ、なんてバカな事を言って来る。
昨日寝たオレが悪いけど殴ってやろうか…と思った時、ハッとした。
もしかしたらオレが知らないだけで、好きな相手とはそうやって仲直りするのかもしれない。
起こした事もあるし、それなら少しは頑張ろう…とは思うものの、自分からキスなんて恥ずかし過ぎてなかなか動き出す事が出来ない。
黙ったまま立っているオレを、トオルは少し首をかしげながら見ている。
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