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多分、最初から話は聞こえていたとは思うけど、オレの声でメンバーの視線がオレ達2人に集中する。
「小路先輩、顔が赤いですけど大丈夫ですか?」
心配して声をかけてくれた白玉に頷くだけの返事をしてから、隣にいるトオルを睨んだ。
そんなオレの顔を隠立が覗き込んで来る。
「しょうゆ、鮮度増してる」
「…」
「鮮度!!」
どう反応して良いかわからずにいるオレとは対照的に、根津先輩と家茶は楽しそうに笑いながら声を揃えた。
阿荘先輩がその2人の頭をポンポン叩く。
「からかうのはやめてやれ」
「はーい」
「ガキ扱いすんじゃねー!!」
素直に返事をした家茶とは違って、扱いが気に入らなかったらしい根津先輩は阿荘先輩の手を叩きながら怒っている。
その阿荘先輩と根津先輩の様子をジッと見ていた隠立が、今度は根津先輩の周りをウロウロし始めた。
…どういう状況なのか良くわからない。
それにしても最近はちょっとした事ですぐ赤くなっている気がする。
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