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気を付けないといけない…と頬を触っていたら、里兎先輩と目が合った。
「小路くん、最近可愛くなったよね」
「…」
トオルに言われた時みたいに恥ずかしくなる訳じゃないけど、自分に当てはまらない言葉を言われると困る…。
オレが黙っていると、さっきから静かだったトオルがオレに近寄りながら口を開いた。
「里兎さん、ユウちゃんの事可愛ぇ言うてえぇんはワイだけやで」
またバカな事を…。
「トオルもそういう事は言わなくて良いから」
「せやけどワイはユウちゃんの彼…」
「口を閉じろ」
これ以上赤面する様な事を言われたくなくて、急いでトオルの唇を指でつまんだ。
「むぅ、む…」
それでもまだしゃべろうとするトオルに呆れる。
でもそんなトオルがおかしかったのか、他のメンバーは一斉に笑い出して、そして口々にしゃべり出した。
ひよこ寮の住人達は今日も賑やかだ。
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