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トイレに行って戻ると、トオルはなぜか手に黒猫のぬいぐるみを持って立っていた。
何で黒猫のぬいぐるみ…?
「それさっきまで持ってなかったよね?」
「ん? これか? これはユウちゃんへのプレゼントやねん」
「は?」
「デートに付き合うてくれた礼や」
そう言ってトオルは持っていたぬいぐるみをオレに差し出して来た。
「高校生の男にぬいぐるみ?」
「ユウちゃん黒猫っぽいしな」
意味がわからない理由だけど、それがトオルらしい。
差し出されたぬいぐるみを手に持って良く見てみると、何とも不機嫌そうな顔をしていた。
オレこんな顔してるのかな…。
「この表情がえぇやろ? 可愛ぇ」
「…趣味悪い」
「あ、アカンかった? 捨ててもえぇよ?」
「捨てるのもったいないからもらっとく」
「そら良かった。抱いて寝たってな」
返事の代わりに腕にパンチしといた。
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