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春休み初日。
昨年の今頃は入寮の準備でバタバタしていたけど、今年はリビングでゆっくり本を読んでいる。
ひよこ寮の他のメンバーはみんな出かけて行った。
「なぁ、なぁ、ユウちゃん」
違った、やかましいのが1人いた。いつの間にかオレの隣に関西弁の男が座っている。
「なぁ、ユウちゃんて」
この馴れ馴れしい呼び方は出会った日から始まって、ちゃんを付けるなって散々言ってもこれだから、もうほっとく事にした。
それでも呼ばれる度に気にはなる。
「ユウちゃん、聞こえてへんの?」
…うっとうしい。
これ以上大声で名前を呼ばれ続ける事に耐えられそうにないので声のする方へ顔を向けた。
そこには寮のメンバーの師田トオルがいて、いつもの笑顔でこっちを見ていた。
「何?」
「今日みんな出かけとるんやね」
「…何回も呼んだのはそんなくだらない事言うため?」
「えー、くだらんやなんて。2人っきりやね、いう事やん」
「うるさい」
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