ひよこ寮のメンバー

2/4
前へ
/117ページ
次へ
予定や理由がなければみんなでご飯、というのがこの寮の暗黙のルールになっている。 今日も出かけていたメンバーが夕方には帰って来たからみんなで食卓を囲んだ。 メンバーはオレを含めて今6人。 「みんなの話聞きたい」 そう言ったのは同い年の隠立ソルト。 隠立はだいたい言葉が足りないし、最初は何を考えてるかわからないところがあった。すぐに何も考えてない事がわかったけど。 「今日の話? 今日はスバルと買い物に行って来たよ」 そんな隠立の言葉を上手く読み取って、里兎ハルカ先輩が答える。 里兎先輩は物腰が柔らかく、こういうさりげないフォローが上手い先輩だ。マイペースなところもあるけど。 今日は阿荘先輩と出かけてたらしい。 「新学期に必要になる物を買いに行ったんだよ、スバルは荷物持ち」 「人を荷物持ちにするな。お前達も春休みが終わるまでに揃えておけ」 里兎先輩に醤油差しを渡しながら阿荘スバル先輩が言う。 言い方はぶっきらぼうでも、阿荘先輩はいつもオレ達の事を心配してくれる。頼りになるというイメージを裏切らない先輩。 「はい、今度買いに行きます」 「返事をするのは小路だけか」
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

87人が本棚に入れています
本棚に追加