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予定や理由がなければみんなでご飯、というのがこの寮の暗黙のルールになっている。
今日も出かけていたメンバーが夕方には帰って来たからみんなで食卓を囲んだ。
メンバーはオレを含めて今6人。
「みんなの話聞きたい」
そう言ったのは同い年の隠立ソルト。
隠立はだいたい言葉が足りないし、最初は何を考えてるかわからないところがあった。すぐに何も考えてない事がわかったけど。
「今日の話? 今日はスバルと買い物に行って来たよ」
そんな隠立の言葉を上手く読み取って、里兎ハルカ先輩が答える。
里兎先輩は物腰が柔らかく、こういうさりげないフォローが上手い先輩だ。マイペースなところもあるけど。
今日は阿荘先輩と出かけてたらしい。
「新学期に必要になる物を買いに行ったんだよ、スバルは荷物持ち」
「人を荷物持ちにするな。お前達も春休みが終わるまでに揃えておけ」
里兎先輩に醤油差しを渡しながら阿荘スバル先輩が言う。
言い方はぶっきらぼうでも、阿荘先輩はいつもオレ達の事を心配してくれる。頼りになるというイメージを裏切らない先輩。
「はい、今度買いに行きます」
「返事をするのは小路だけか」
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