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「はは、ユウちゃんはワイらの代表みたいなもんやさかい」
そう言って笑うトオルの横で隠立が頷いている。
オレは別に代表になったつもりないけど。
「おい、オレが頼んだの買って来てくれたか?」
体を乗り出して根津マヨ先輩が里兎先輩に聞いている。
トオルいわく根津先輩は、見た目は可愛いけどキャンキャンうるさい小型犬、らしい。それを聞いた根津先輩はトオルにドロップキックをおみまいしていた。
まぁ確かに、根津先輩とトオルだけで充分この寮は賑やかだ。
「買ったよ、後で部屋に持って行くね」
「サンキュー」
「あ、そや、1年ていつ頃来るんですかー?」
「2人共4月に入ってからみたいだね」
「今年は2人か?」
「うん」
質問に答えつつ、里兎先輩は少なくなっている阿荘先輩の麦茶を足している。
何というかこの2人にはこういう、あうんの呼吸みたいなものがある。
「生意気なヤツじゃねーと良いけどな」
どこか楽しげな根津先輩だったけど、次の阿荘先輩のセリフで表情を一変させた。
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