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   電車の規則的な走行音が、遠くから巽の耳に届く。心地よいその音に耳を傾けながら、彼は持っていた葉書に目をやった。  『同窓会』。  葉書の文字が目に留まる。  視線を移すと、トンネルを通過中の車窓には、ぼんやりとした自分の顔が映っている。  ガタン、ガタン。  揺れを体に感じつつ、彼は目を閉じた。彼の意識はやがて、ふわりと白く塗りつぶされてゆく。  聞こえていた音も、いつしか聞こえなくなっていた。  
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