最愛の彼女

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 彼女が死んだ。自殺だった。  ついこの前までは、会えばいつもにこにこと笑っていて、死ぬような素振りなんてかけらもなかった。  何が彼女を自殺する程追い詰めたのか。…もしかしたら、彼女につきまとっていたというストーカーのせいかもしれない。  前に彼女に打ち明けられた話だが、彼女は随分と長いことストーカー被害に遭っていた。  小学生の頃から何者かにつけ回され、どこで調べたのか電話をかけられ、おかしな手紙やプレゼントを送りつけられるようなこともあって、心身共にかなり参っていたという。  でもその話を俺に語った時、彼女は総て昔のことだと言っていたし、実際、俺と交際を始めてから、彼女がストーカー被害に悩まされている様子はなかった。  穏やかに平穏に暮らしていた筈だ。なのにどうして彼女は自殺なんて真似をしてしまったのか。  こんなことなら、もっともっと彼女を見守っていればよかった。  長いこと…彼女が小学生だった頃から、ずっと陰ながら彼女を見守ってきたのに、彼氏という立場になれた今になって、どこの誰とも判らないストーカーのせいで彼女を失うなんて、そんな結末は酷すぎる。  いったいどこの誰が彼女を追い詰め、死に追いやったのか。  何年…何十年かけても見つけ出して復讐してやる。それが俺にできる、彼女への最大の愛情表現だ。 最愛の彼女…完
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