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「離せ、あちい」
さっきまで穏やかな表情だった大和の眉間に皺が寄っている。
「…ん?」
無意識にそこに伸ばした俺の手を、大和が不思議そうな顔をして受け止める。
「大和、おじさんになったら皺が残っちゃうわよ」
神妙な面持ちで言う俺に、フッと吹き出した。
「眉間に皺があるおじさんは嫌か?」
「やーよ」
「ふーん」
「でも大和ならいいわよ」
ぶりっこしてウィンク付きで言うと、両頬を片手で掴まれた。
「ぶっ!」
なんだこいつ!
今度は俺が眉間に皺を寄せながらシンの方を見て助けを求める。
するとシンはため息をついていた。
「大和…なんかもう、うん…」
訳がわからないことを呟いてるから思わず目をパチパチさせていると、やっと両頬から手が離れた。
「ぷはっ、何すんねん!今日一緒にアイス食べる仲やろがい!」
「大和…餌付けには走るなって…」
「シンはさっきから何の話してるの?」
頭にはてなを浮かべてる俺の頭をシンは軽く撫でた。
「りったんはそのままでいいのー」
「いいのー?」
「うんいいよー、よちよち」
むっ、子ども扱いしてやがるな。
軽く睨んでシンの手を払いのけた。
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