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青の世界
「ねえ、ねえ。伸哉が1番好きな色って何色?」
すべての始まりは美那のその質問からだった。
「1番好きな色? どうして?」
美那の何気ない質問。
だけどその質問に答えることにより美那の人格は確実に変わっていった。
「何だって良いから答えてよ。何色が好きなの?」
今なら分かる。
その質問には答えてはいけないと。
「俺の好きな色かー……」
しかし、あの時の俺はそんなこと分かるはずもなかった。
「んー、強いて挙げるなら、……青かな?」
俺は今でも忘れない。
俺の答えを聞いた時の美那のあの笑顔を。
「そっか。……青か。……そうだと思った」
俺の知っている美那が壊れ始めた瞬間だった。
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