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「でも先輩には好きな人が……」
自分でもわかるくらいの震えた声が、たどたどしく言葉を吐き出す。
あれだけたくさんの女の人の話をしていたくせに?
あれだけたくさんの、好きを語っていたくせに?
私が好き……?
本当に……?
溢れ出す涙がまた、視界を揺らし、先輩をも揺らす。
「自分の気持ちに素直になれなくて……つい嘘話ばっかりしてしまって、ずるずるここまできてしまったんだ。でももう決心ついた! あーちゃんの、告白の練習のおかげ!」
そう言って先輩は、さらに花束を私の方へ差し出してくる。
告白の練習は、大好きな人のためにしてたんじゃなかったの?
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