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〔――そうやってすぐ人に責任を押し付けるんですね! 酷いです! 最悪です!〕
ダメだ、シャラは怒り心頭しすぎて、聞く耳を持たない。
〔そうです! どさくさに紛れて、わたしのおっ… おっ… お〇ぱいを……〕
シャラが羞恥で震え始める。
俺は嫌な予感がしていた。
助けを求めるようと慌ててプエリーの方を見る。
〔あ、×エネルギーが溜まったわぁ。なるほどねぇ〕
プエリーは自身のバストとヒップの成長に喜んでいた。
いや、他人事のように目を反らしてんじゃねぇよ!
俺と目を合わせろ!
〔もう許しませんっ!〕
シャラは人差し指を突き出して右手を振り上げる。後ろの空間に透明な球体のようなものが出現し、そこに急速で光が集まり始めた。
俺はその仕草を見て、数時間前にプエリーと戦っていた光景が脳内に蘇る。
……ヤバい、あれだ。
俺の背筋に冷たいものが流れる。
「ちょ、ちょっと待て! 落ち着け、慌てるな、冷静になれ! それは俺みたいな平凡な人間に使うと死ぬから! そもそもあれは事故だし不可抗力だったって言ってるだろ! 謝って済むなら気が済むまで謝るから! だからやめろ考え直せ! 頼むからお願いだから誰かなんとかし――――」
なんとかこの窮地を脱しようと、矢継ぎ早に言葉を並べシャラのご機嫌取りにかかった俺だったが、一足遅かった。
〔――――『天(あま)の礫(つぶて)』ッ?〕
超濃度の光の球体のようなものが、神々しい光を放ちながら、物凄い勢いで俺に飛来してくる。
ヒッと首を竦める俺の顔の横を、その球体が通過した。後ろの壁を押し崩し、突き破り、衝撃波でその直線状にあったものをすべて宙に舞わせていく。
これでどうなってしまったのか、簡単に説明すると、家が半壊した。
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