第三章 ザ・ジ 魔法学校への入学が決まる の 巻

2/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
アメ国とニッポ国は五年間の共同教育制度「ドラゴンプール」 を設立した。 この制度は、五年間ワオキ島に若い男女を派遣して白き魔術団 に入り魔術の教育を受ける制度である。 両国国王は、王家自らが白き魔術を習得してソト国と黒き魔術 団に対抗することが政治・軍事上も重要かつ不可避と判断した ものである。 アメ国、ニッポ国よりそれぞれ三十人の子供が選抜された。 年令は十歳以下がその白き魔術習得に必要なドラゴンとの意思 疎通ができる限界年齢であったためである。 ドラゴンは卵から孵化して即自分の主を定める習性があり、 テレパシーで主人と会話することができるが、その能力が発揮 できるのは人間側が十歳以下でないとうまくいかないためで ある。 五年後には六十名の少年ドラゴン隊ができあがり、ソト国の黒 き魔術団に対抗できることになる。 また、ワオキ島ににいる白き魔術団の子供たち四十名も同時に この制度に参画し同盟国側としては百名の戦士が揃うことに なります。 将来の政治・軍事を司るこの精鋭少年隊を率いるのはアメ国王 家ニッポ国王家の出身者が不可欠であり、アメ国ジ・ルー王女 、ニッポ国ザ・ジ王子が指名された。 ザ・ダ王子は十歳を超えているため、参加資格がないので ある。 ニッポ国国王のザ・ド・シャープは側近のザ・レ・シャープの 子息ザ・レをザ・ジの学友として参加するよう命じた。 ザ・レは科学に秀でた子供であった。 また、アメ国国王ザ・ジ・フェルマータは、ジ・ルーの学友と して親戚筋のジ・アーヤを姉妹扱いで参加を命じた。 ジ・アーヤは六歳であった。 一週間かけての選抜期間が終わり、両国で六十名の教育参加者 が出揃った。 出発は選抜終了日の一週間後と決まった。 六十名はアメ国ゴンドラでワオキ島へ向かうことになり、途中 でニッポ国でザ・ジ以外の二十九名を拾って行くことになる。 ザ・ジはアメ国一行とともに出発することになる。 一週間でワオキ島で生活するに必要な道具・衣装一式が準備 された。 出発の日の朝食は、アメ国、ニッポ国両国王家が同席して開 かれた。 「ジ・ルーや、五年間離れて暮らさなければならないが、父と 母はいつもそなたを思っているよ」と、国王。 「ええ、お父様ジ・ルーもいつもお父様とお母さまのことを 思い出して頑張ります。 ザ・ジも一緒ですから心配していません」と、ジ・ルー。
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!