第一章 ザ・ジ、アメ国との同盟記念日に出席 の 巻

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今日は、ニッポ国とアメ国の同盟記念日である、 二国は、パシフィコ海を挟んで向かい合っている。 両国の北には強大なソト国がここ十年余り、再三再四 ニッポ国とアメ国に侵略を試みていた。 ニッポ国もアメ国も単独では、ソト国に対抗できる 軍事力は持っていなかった。 このため、両国は同盟を結んで共同の敵であるソト国 に対抗せざるを得なかったのである。 今日は、同盟を結んで五年目の記念日にあたる日なの である。 記念日には、両国が交互に相手の国を訪問して式典を 開催しており、今年はアメ国の番にあたっている。 そのため、ニッポ国は国王夫妻が二人の王子とともに 百名ほどが船でパシ海を渡ってアメ国を訪れたので ある。 アメ国首都のサンフラの港から宮殿までの商人街の道 の両側には、ニッポ国の旗が歓迎の意味を込めてはた めいている。 その中を、国王夫妻と王子二人は二台の馬車に分乗して 王宮への石畳の坂道をニッポ国の旗を掲げた騎兵を 先頭に騎士団、剣士団、弓矢団を従えて進んでいく。 二台の馬車は、騎士団と剣士団の間を進んでいく。 弓矢団の後を召使たちが揃いの家紋を付けた制服に 身を包んでついていく・・・。 アメ国の市民は路傍に出迎え歓迎の意を表している。 ニッポ国の一団は、石畳の坂を登り終え、王宮へと 進んでいく。 王宮に入って一行は、館前の広場に入って行く。 館の前のテラスにアメ国国王夫妻と王女が出迎えて いた。 馬車は、国王一家の前で止まり、ニッポ国国王夫妻 、ついで王子二人がおりてきた。 「ようこそ、ザ・ド・シャープ国王」と、アメ国国王 のザ・ジ・フェルマータ国王が歓迎の意を表した。 「ようこそ我が国へ」と、ザ・ジ・クイーンがザ・ ド・クイーンを頬へのキスを交えながら抱き合って これも歓迎の意を表した。 「ようこそ、いらいてくださいました、王子様達」 とアメ国国王夫妻の一人娘でであるジ・ルー王女が 七歳になったばかりの初々しさをもってニッポ国の 二人の王子、長男で十五歳のザ・ダと十歳のザ・ジ を頬へのキスをもって歓迎した。 音楽隊が一斉にニッポ国国家を奏で始め、両国国王 一家はテラスから庭に整列し終えたニッポ国騎馬団 兵士団、弓矢団と出迎えのために待機していたアメ 酷の騎兵団、兵士団、弓矢団に向かい合って立った。 「ニッポ国万歳!」
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