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「では、帰国次第この長男のザ・ダにに命じて派遣
隊を組成します」
「父上!その役は私ではいけませんか?」と、ザ・ジ。
「お前では小さすぎるよ、ザ・ジ。ザ・ダでも若
すぎるくらいだ」
ザ・ダは誇らしげな態度を見せる一方で、ザ・ジはしょ
げ返っている。
一同、その様子を見て大笑いする・・・。
「ザ・ジ様は私が慰めてあげるね」と、ジ・ルー姫。
「エッ!ままごとじゃないんだから!」と、ザ・ジが
再びむくれるのを見て、一同が更に大笑いする。
ジ・ルー王女は、五年前の三歳の時から、ザ・ジを相手
に両王家の会見時には遊び友達としてきた。
ザ・ジ王子も可愛くて自分を慕ってくるジ・ルー姫と
遊ぶことは苦にはならなかった。
「ごめんね、ジ・ルー、明日遊ぼうね」と、ザ・ジ。
「分かったわ、約束よザ・ジ」と、ジ・ルー。
「明日は両国の国王、クイーンの間でいろいろな会議
が予定されておりますので、晩餐会の後は、ゆっくり
お部屋でお寛ぎ願います」と、ザ・ジ国王。
「そうですね、、それでは失礼して部屋に戻ります」
と、ザ・ド国王。
両家の晩餐会は、こうしてお開きになりました。
翌日は、両国国王、クイーン、と十五歳になったとい
うことで、ザ・ダも参加を許されて、両国間の新たな
条約の締結や各種の協力体制の整備のための会議が
朝食後から始まり、昼食を挟んで午後も引き続き
行われている。
ザ・ジとジ・ルーは二人取り残された形になった。
「ねえ、ザ・ジ、何かして遊ぼう」と、ジ・ルー。
「そうだね、今日は父上達は一日中会議みたいな
だもんね」と、ザ・ジ。
「何して遊ぶの?」と、ジ・ルー。
「うーん、この王宮は広いからジ・ルー案内してよ」
「うん、わかった。ついてきて」
「僕らが使っている二階は知っているとこらが多いから
一階と三階を案内してくれる?」
二人は先ず陽が燦々と入っている三階のバルコニーに
あがった。
「ほら見て!ザ・ジ、あそこに海が見えるわ、白く
海に突き出ているのが昨日ザ・ジ達が船を留めた港
よ。
乗ってきた船がみえるわよ!港から王宮への道の
両側にパン屋や肉屋やら商店が立ち並んでいるでしょ。
一本裏の道には宿屋がずっと並んでいるのよ。
港の道の右側の坂を上がると教会が見えるでしょ?
あの教会で私のパパとママが結婚式を挙げたのよ。
私の洗礼もあの教会でしたのよ。
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