ビッグデータ探偵

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人の歩き方をコンピュータで動画解析することによって、人物を特定するとか。 そういう技術を警察の調査などに使って、精度を高める、というのが、この研究室の目的だ。 「先生さっきの話ですけど」 「うん」 と彼女が話を戻す。 「この写真を見て、犯人は、彼女の場所を特定して、つきまとっていたらしいんです。」 「うん、なんの変哲もない自撮り写真だね」 と、ただの自撮りの写真を取り出した。 そこには彼女以外何も写っていない。 手がかりになる情報は何もないということだった。 「ああ、これは簡単だよ」 と、僕は言った。 「え?簡単?全然簡単じゃないですよ!」 と、彼女が猛抗議する。 「目だよ」と僕は答えた。 「目!?何が目なんですか?目が可愛いとかですか?確かにこの子目が可愛いですけど、私だって負けてな・・・」 「話が脱線してるね」 と僕は笑った。 確かに彼女もかなり可愛い。 目に自信があったとは知らなかったけど。 「よく見てご覧。その目に特定の場所を示す、特徴が写り込んでいるんだよ」 と僕が言う。 「え?うそだぁ、こんなの小さくて見えないですよ!!」 「そのサイズだったらね?元データあるかい?」 「はい、あります、こちらです。」 と画像データを開いた。 「はい、拡大するよ!」     
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