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第4話 撮影者
「私達の母校の『日本で一番いい大学』です」
そういうわけだった。
今時の地下アイドルは学歴もすごいらしい。
すっと車を止めて、僕達は降りる。
そして、目的地に向かって少し歩く。
「ここですね。映っていたのは」
と彼女は立ち止まる。
ここはこの学校の中でもわりと有名な場所で海外のカフェのチェーン店が日本で初めて大学に入ったということで有名になった場所だ。
「うちの研究室の近くじゃないか。」
そう、僕が所属する研究室の近くのカフェだった。
僕も利用したことが当然ある。
もしかしたら、知っている学生かもしれない。
「じゃあ、先生、あれを見ながらポーズを取ってください」
と、彼女は指指しながら言う。
さらりとポーズを取れという高崎くん。
しかし、彼女の趣味という理由ではない。
あながち意味が無いことではなかった。
「さすがにポーズはムリだよ」
と僕が言う。
ポーズとは、地下アイドルがとる決めポーズのことだ、さすがにそれはちょっと難しい。
しかし、顔の向きは、この実験には必要なので、しっかりとやることにした。
「えー、しょうが無いなぁ。じゃあ、視線だけで許して上げます。」
と彼女は言った。
僕はきちんと、それを見つめた。
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