ビッグデータ探偵

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第2話 理系のコミュニケーション能力 「ほら、簡単だっただろう?じゃ、現場に向かおうか」 僕たちは瞳が写した場所に向かう。 駐車場に向うため部屋を出た。 そして、エレベータを待つ。 「さて?この事件は何なんだっけ?」 と僕が聞く。 「やっぱりなんにも聞いてなかったじゃないですか!!これだから学者は!!って言われるんですよ!」 とプンプン怒りながら言う彼女。 彼女の名前は高崎菜々。 『特別犯罪研究室』に警察側から派遣されてきた。 事実上僕のアシスタントということになる。 警察と僕らの潤滑油的な存在だ。 警察側の情報は基本的に高崎くんからもらう。 ある種の翻訳機でもある。 「やっぱりそんなこと言われてるの?」 と僕が笑う。 今時そんなこと言われるのか、大学の先生って。 21世紀も始まって10年以上たってるのに。 「わりと僕ら世代はそういうの言われないんだけどね。」 と僕は言う。 僕らよりずっと年上の教授たちじゃないのだろうか。 そういうことを言われる人たちは。 「先生、お幾つでしたっけ?」 高崎くんが聞いてきた。 「今年35歳になったよ」 と僕は答える。 「私より10歳上ですね。10歳くらいなら問題ないですね!」 とニッコリ笑う。     
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