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そう、僕たちの仕事は、事件の規模ではなく、その方法を解明することにある。
犯人を探すことなどは、そんなにメインではない。
僕達の仕事の結果、犯人が見つかることはもちろんあるけれども。
「はい、そうです。地味な事件で申し訳ないですが」
と、高崎くんは残念そうに言った。
警察感というのは派手な事件が好きらしい。
「君の言う、派手な事件って、殺人事件とかのことだろ?」
と僕は言う。
そう、派手な事件というのは、社会的影響の高い事件だ。
「僕は一般人だから、そういうのはちょっとなぁ・・・血とか見たくないよ」
と僕は言う。
「先生はだらしないなぁ」
と、高崎くんは笑っていた。
「だらしなくていいよ、できるだけR18の映像は僕にみせないでくれよ・・・」
と僕は言った。
ほんとにお願いしたい。
なんだったら、数字のデータだけ見ていたいけど・・・。
「ああ、今流行の人の死なないミステリーですか」
と彼女は言った。
彼女は体育会系だが本も読むようだった。
そういえば文学部だったかな。
「そうそう。そういうのが良いよ」
と僕が言う。
あまり人が死なないミステリーは読んだことがないけど、昔のバンバン人が死ぬミステリーよりは良いだろう。
「ははは、そういうのだけだといいですね」
と、彼女は乾いた笑いで返事をした。
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