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かぐや、君が俺に興味を持って観察していれば、気付けるポイントはいくらでもあったはずなんだよ?
俺の本職が、国家機関に研究室を持つ若き研究者であること。
科学全般を扱っているけれど、専門は天体だということ。
君に直接出会う前から、君とネットで『ビックフレンズ』というハンドルネームで月に関する情報をやり取りしていたこと。
柏木家に代々仕える大伴家の人間であること。
その繋がりで、君が御執心の皇坊っちゃんと旧友の関係にあること。
諸々全てをひっくるめた上で、茸鳥さん家を探るために『家庭教師』という蓑を纏って潜入していた柏木家側のスパイであったこと。
おそらく茸鳥さん自身は、俺が柏木家に繋がりがあることを知っている。
自分から声をかけたつもりで上手く柏木家に誘導されていたのだと、気付いていたはずだ。
だからお見合いの席に皇坊っちゃんが来るように、俺を通じてコンタクトを取ろうとした。
ま、結果として皇坊っちゃん、茸鳥さんのボディーガードにしてやられたみたいで、見合いの席には来れなかったわけだけど?
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