The moonlight princess【察】

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 そんなことを思いながら、借り受けた通信端末で皇坊っちゃんを呼び出す。  コンタクト相手が俺だとすぐに分かったのか、電話はワンコールですぐに繋がった。 「あ、皇坊っちゃん? 元気?  俺が用意してあげたトイガーちゃんも元気にしてる?  ……ん。いや、俺が訓練したんだから、優秀に決まってるっしょ。  お屋敷に潜入する時も、俺がちょくちょく手伝ってあげてたんだし」  端末の向こうから聞こえてくる声は、少し憔悴しているような気がした。  あーあー……だからムカつくんだよ、あのお嬢ちゃん。  俺の大切な旧友をこんな風にしてくれやがるんだからさ。 「ところでさ、皇坊っちゃん、知ってる?  明日がかぐやちゃんの示した期限だよ。  明日、かぐやちゃんの結婚相手が決まるはずだ。  名目上はね。  動くならさっさとしなよ……」
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